2020年04月14日

縄文人の衣服の推定

みなさんこんにちは学芸員Aです。

先だって縄文人の衣服を考える過程で、その素材、形状、組み合わせ、色彩、装飾のそれぞれについて浅い調査を行いました。なにせ縄文時代の出土遺物から得られる情報にすごく限りがあるので、現在ではまだ確実度の高い衣服を復元することはできないと思いました。

ただ、周辺の事情や機能・合理性を考えたりして、証拠のレベルや方向性を変えさえすれば、それなりの推定はできるものです。推測の妥当性を比較するのはとても難しいとしても、ワタクシの場合は基本はこのような感じで考えました。

 @インナーは、編み布製か獣皮製のパンツ
 
 Aアウターは、編み布製で、形状は、ズボンやスカートと組み合わせたツーピース、ワンピース、羽織(前が重ならない)
 
 B暑ければ半そで、寒ければアウターとして獣皮製を着る
 
 Cアウターの布製品の装飾は、生地の色染めや色糸で刺繍する
 
 Dアウターの獣皮製品の装飾は、少ない範囲の色塗り
 
 Eビーズ類の縫い付けはあったかもしれない

ときに、先日、Scientific Reportsに、ネアンデルタール人の繊維技術を持っていた証拠が発見されたという論文が出ていました(日本語の記事はこちら)。ネアンデルタールといえば裸か毛皮を着たイメージがありますが、勝手な想像に過ぎなかったということです。

そういえばワタクシも、尾関清子さんの書籍に出会うまでは縄文人に染めや刺繍技術があった可能性についてほとんど考えたことさえありませんでした。原始性にまつわる先入観は、ないほうが良いのかもしれません。


学芸員A
posted by 十日町市博物館 at 15:50| Comment(0) | 日記
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